2008年 12月 07日
あいつを倒したい・・・でも倒せない。
あいつを倒したい・・・私はそう願っていた。
私は倒したいあいつとは・・・、
名前をイリアという。
そう、同じ猟団に属する団員の一人だ。
クエストの一つに、通称・笛クシャと呼ばれる笛装備限定のクエストがある。
笛だけで古竜クシャルダオラを倒すという誰が得をするのか分からないクエだ。
もう大分昔だが、このクエに団員で行こうよという話になった。
クエに参加するには当然、笛で行かなければならない。
だが当時のイリアは笛を持っていなかった。
困った挙句にでた言葉が「ボーンホルン改で行くね^^」だった。
勝った!
私は心の底からそう確信した。
ボーンホルン改といえば、旋律は悪くは無いがしょせん下位で作れる下級武器。
はっきり言ってゴミである。
笛のド素人、素人童貞だったイリアはその笛でクエに来たのだ。
曲がりなりにも、そこそこの笛を持っていた私はイリアに勝った。
8馬身差くらいつけた上での圧倒的勝利である。
それからしばらく、イリアは笛を手にすることは無かった。
時は流れて、シーズン3.0を超えた辺りから笛の地位が劇的に向上したことは皆さんもお気づきであろう。
シーズン3.5で実装されたアクラジェビアの登場により、それはさらに顕著となる。
笛 の 時 代 到来である。
そんな時代の流れに敏感な、敏感肌な私はいち早く笛装備作成に着手した。
それまでは他の近接防具を流用して使っていたのだが、笛専用の装備を作ろうとしたのだ。
そうして出来上がったのが、すでにこの日記で何度も登場しているルージュを使った笛装備である。
私は正直、それで満足していた。
世間一般で、笛装備に必要な最もポピュラーなスキルといえば「広域+2」であろう。
PTに火事場を使っている者さえいなければ、事故率を下げれる有用なスキルである。
だが私の作り上げたルージュ装備には「広域+2」なんてものはこれっぽっちも付いていなかった。
必要無いと信じていた。
これでいい、そうこれでいいんだ。
私はそう思い込もうとしていた。
・・・そして自らが歩んだ道は間違っていなかったと心の底から信じることが出来そうになった頃、あいつが目の前に現れた。
イリアである。
イリアはいつの間にか、笛装備を作っていた。
イリアが作り上げた装備のスキルを見て、私は愕然としたのである。
私は我が目を疑った。
素晴らしい・・・そう呟かざるをえないスキルではないか。
私が年頃の女子なら見ただけで濡れてきちゃう、そんなスキルではないか。
「オートガード」「睡眠無効」というゴミスキルが2つ付いているが、これは頭装備の猟団員の証【鉄壁】におまけで付いてくる副産物なので仕方のないところ。
それ以外にはまったく文句の付け所がない素晴らしいスキルである・・・。
MHFでは良いスキルを優先して付けると見た目が酷いことになるのが常である。
見た目とスキルの両立はかなり難しいのだ。
イリアの恐ろしい所は、これだけのスキルを付けながらも見た目もかなり良い装備を作り上げたということだ。
絶望に打ちひしがれる私にイリアは腕組みをしたまま「精進せよ」と一言だけ告げたのだ。
圧倒的敗北。
悔しいです!
悔しがる私を尻目に、イリアの甲高い笑い声がメゼポルタ広場にこだました。
こうして私はイリアに対して歴史的敗北を喫したのである。
颯爽と作り上げた笛装備で痛快に笛を振り回すイリア。
そこにはもう、笛クシャにボーンホルン改を担いできた地雷の姿はなかった・・・。
イリアに敗北してから数日が経った頃、私はあることに気づいた。
天啓!!
それはまさに圧倒的閃き。
私はもうイリアを倒すことは出来ないと思っていた。
だが、この策を用いれば・・・倒せる!イリアを倒すことが出来る!!
私が思いついた打倒イリアの秘策とは・・・、
パクればいいんだよ!!
ニホンジンマネスルノトクイネー。
そうだよ真似すればいいんだよ!完全コピーだよ!
同じスキルを持った装備を作り上げて堂々と装備すればいいんだよ。
防具まで完全コピーしたら訴えられるかもしれないから少し変えればいいんだよ!
こうして出来上がった新笛装備が、
我ながら見た目は上々、気分は上々なやつが出来上がったと思います。
向こうが言いがかりをつけてきたら「これはオリジナルです、なんなら法廷で争いますか?」とかちょっと脅してやればいいんだよ!!
※スキルのSSは上記イリア笛装備スキルの完全コピーで全く同じなので割愛します
そして出来上がった私の新しい笛装備をイリアに見せ付けた。
イリアは絶望していた。
きっと色んな意味で絶望したのであろう。
この日、甘寧の高笑いがドンドルマの街に夜遅くまで鳴り響いていたという。
SS撮影協力をしてくれたイリアさんには心の底から感謝します<(_ _)>