カテゴリ:読書日記( 32 )

木下半太『悪夢のクローゼット』

清冠学園野球部のエース・長尾虎之助は「キラキラ王子」と呼ばれる国民的アイドル。
ある日、学園のマドンナであるみな美先生から誘いを受けてのこのこ先生の部屋へ。
さていよいよこれから!という時に、玄関からチャイムの音がした。
慌てふためいたみな美先生は、とりあえず急場を凌ぐために虎之助をクローゼットの中に押し込んだ。
クローゼットの隙間から部屋の様子を伺うと、そこには意外な訪問者が・・・。
そしてあろうことか、みな美先生がその訪問者に殺害されてしまった。
高校卒業を間近に控え、その先にドラフトでの一位指名、そしてプロ野球デビューという輝かしい未来が待ち受けている虎之助。
ここでのスキャンダルは命取り!
果たして、虎之助は無事にこの窮地を凌ぐことができるのであろうか・・・。


木下半太氏が書いている悪夢シリーズの最新作です。
これまでに、
・悪夢のエレベーター(&奈落のエレベーター)
・悪夢の観覧車
・悪夢のギャンブルマンション
・悪夢のドライブ
・悪夢の商店街
と一応シリーズは全て読んできたので本作も読んでみました。
だが、駄作だね今回は。

悪夢シリーズの醍醐味は、物語の前半と後半で様変わりする大どんでん返し。
物語が進むにつれ、話が二転三転し、次々と明らかになる新事実によって作中の人物達の立場が次々と入れ替わっていく息も尽かせぬ展開が魅力です。
ですが、本作はそれらの要素が皆無でかなり弱いですね。
毎回、この展開は読めんかったわ・・・と驚嘆したりすることがあったんだが、今回に限っては大どんでん返しに相当する箇所の展開が見え見えでがっかりしました。

悪夢シリーズの特徴としては、過去作品で主役級だった登場人物が他作品でもゲストとして顔を見せることが多々あります。
エレベーターで主人公の一人だったオカマのマッキーは後にギャンブルマンションでは再び主役・ドライブにもちょい役で登場。
観覧車で人質になった闇医者のニーナはドライブでも再び登場。
ドライブで主役の片割れだった女子高生ペテン師のサクラは商店街でも再び準主役として登場します。
こんな感じで、他の作品の人物がちょいちょい顔を出してくるのがシリーズの楽しみの一つでもあると思うのだが、本作には一切登場しないという・・・どうしてこうなった?
オカマのマッキーの名前が作中で何度か出てくるのですが、出るのは名前だけで本人は一切出ません。

悪夢シリーズの作風はかなりコメディー要素の高いミステリー。
ただ基本的にありえない人物や場所の設定が多いのが玉に瑕。
ですが、これは無いわ・・・という状況を加味してもそれを超えて笑える上質な面白さが過去作品にはあったんだが、本作はもひとつ、いやもうふたつでした。
主人公のはずの虎之助が終盤までほぼ話の蚊帳の外なのはどうなんかと思いました。

総評としましては、今回も「悪夢の観覧車」は越えられなかった。
悪夢シリーズの中では観覧車は本当に最高傑作でした。
主人公達は犯人グループなんですが、それぞれが本当に個性的でそれでいて愛せるキャラに描かれていて非常に面白かったです。
「どんな時も、ロマンティックに生きろ」っていう言葉が実に良い。
展開もオチも最後まで読めなかった傑作でした。
本書もこれぐらいのクオリティーを期待したかったですね。
とりあえず、登場人物のほとんどがエゴイストで全く好きになれず感情移入もできやしないのが致命的だったかな。

悪夢シリーズは、シリーズと言ってますがそれぞれのお話は独立しているので別にどこから読んでも差し障りがないです。
もし、悪夢シリーズに興味を持たれた方がいましたら、本作ではなく「悪夢の観覧車」を読む事をお勧めしておきます。
あれ?今日は何の読書日記なんだこれ?
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by kannei0521 | 2012-02-22 21:06 | 読書日記 | Comments(2)

東野圭吾『麒麟の翼』

東京日本橋にある麒麟の像の前で、ナイフで腹を刺された男が発見された。
刺された現場は発見場所から800mも離れた地下道だった。
男は途中で道行く人に助けも求めず、交番も無視して麒麟の像まで歩いてきたようだ。
一体何故?

事件発覚後直ちに緊急配備がかけられ、現場近くで不審者が発見される。
だがその男は警察の制止を振りきり逃走し走ってきたトラックと接触。
すぐさま病院に運ばれたものの、意識不明の重態に陥る。
男は被害者のかばんと財布を所持していた。
果たして、この男が犯人なのだろうか?

人は自分の死を確信した時、残された人に最後に伝えたい想いとは一体なんだろうか?
東野圭吾本人が認めた(らしい)シリーズ最高傑作。


原作本を読んだのは遥か遠い昔なんですが、先日これの映画を見てきたんで厳密には読書日記じゃないんですが書いてみたいと思います。
麒麟の翼 〜劇場版・新参者〜
なんかね、原作を読んだはずなのに犯人とかぽっくり忘れてて映画を見て「おお、こんな話だった!だった!」って思いだしたっていう本当にあった怖い話。
加賀恭一郎シリーズ最新作で今回も映画では加賀役を阿部寛が演じていました。
何回見ても阿部ちゃんはいい演技をします。

物語は、麒麟の像の下で発見された刺殺体の男性は何故歩いてここまでやってきたのか?
現場近くで発見され現在意識不明の重態に陥ってる男は本当に犯人なのか?
というこの2点を軸に進展していきます。

警察上層部は、発見された男を容疑者として事件を早々に終わらせようと画策するのですが、加賀は捜査するにつれ、この事件は本当にそんな単純な事件なのだろうか?と疑問を膨らませます。
「そんなことはさせない」
事件の真実の姿を必ず突き止めると決意した加賀。
果たして加賀は事件の隠された真実にたどり着くことができるのであろうか・・・ってまぁ当然たどり着くんですけど、そんなお話です。

原作はどうだったか忘れましたが、映画版はテレビドラマとして放映された「新参者」の延長戦的な感じで描かれてますね。
とりあえず見るなら(読むなら?)、同じ加賀恭一郎シリーズの「新参者」「赤い指」あたりは先に見るか読むかしておいた方が楽しめるかと思います。

ネタバレになるとあれなんで詳しくは書けないんですが、俺が犯人が誰かぽっくり忘れてた!ということからも分かるように、今回も一応は犯人がいるミステリー物なんですが正味犯人が誰かなんかはどうでもいい二の次のお話です。
事件の裏に隠された人間ドラマに重きを置いたお話ですね。
最高傑作かどうかは分かりませんが、普通に泣ける良い話だったのではないでしょうか。

映画版の余談ですが、ドラマの「新参者」で重要な役どころだった向井理がポスターになって11秒だけ映ってるんですよ。
だから実際の本人は今回の映画には一切出てないんですね。
でも、最後のキャスト一覧に普通に「向井理」ってあって噴いたw
お前出てねえじゃん!って突っ込んだのは俺だけじゃないはずです。
すまん、今回は読書日記でもなんでもなかったね。
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by kannei0521 | 2012-02-18 23:10 | 読書日記 | Comments(0)

若竹七海『クール・キャンデー』

「兄貴は無実だ。あたしが証明してやる!」

夏休み初日という最高にハッピーな日を明日に控え胸を躍らせていた中学生の渚。
だが彼女の楽しみは儚く消えた。
その日、ストーカーに襲われ重傷を負っていた兄嫁が他界したのだ。
さらに同時刻、そのストーカーも変死を遂げた。
警察は動機も十分にありアリバイを立証できなかった兄の良輔を殺人犯として疑っている。
果たして兄のアリバイとは!?事件の真相とは!?
渚は最悪の夏休みを無事に乗り切ることが出来るのであろうか・・・。


さて久方ぶりの読書日記ですね。
仕事のシーズンがようやく終了したので、これから読書のシーズンがやってきました。
そんなところで今シーズンの第一弾に選んで読んだのが本書『クール・キャンデー』。
「どんでん返し ミステリー」なんて言葉で検索すると必ず引っかかるんですよねこの本。
大分前から気になっていたので早速読んでみました。

うん、衝撃だった!
物語は主人公で中学生の渚の独白調で進行していきます。
兄の潔白を証明するために奮闘する女子中学生。
そこに近所で起こっている痴漢事件が絡んだり、同級生の男の子との淡い恋のお話が絡んだりするという、なんだこの青春小説は!?という様相を呈したまま淡々と進んでいくんですよ。
そして終盤に物語の骨格であるストーカーが変死を遂げた事件の真相が明らかになります。
・・・こんなもんなんか?
正直、真相が明らかになった時点での俺の感想はこんなもんでした。
「どんでん返し」っていう割りには大した事ないな~、他の人の書評を読む限りじゃ評判は良さそうだったが期待し過ぎたか・・・と軽い絶望すら覚えました。
しかし、衝撃は最後に隠されていた。
他の人も大体同じ事を書いてますが、俺もこう書かざるを得ない。

最後の一行で驚いた!

半分寝ぼけ眼で読んでいた俺だったが、最後の一行を読んだ瞬間目が覚めたわw
以前読んだ「イニシエーション・ラブ」も最後の一行で驚かされる本だったが、本書はあれとはまた別のベクトルで驚く本でしたね。
いや~まいったまいった・・・。

作者の若竹七海氏の本を読んだのは本書が始めてでしたが、どうもこの作者さんのお話は大体後味が悪い感じで終わるのが通例のようですね。
本書も中々のもんでした。
後、本書は「箱崎シリーズ」というシリーズの中の一冊みたいですね。
ちょっと語り口調が独特で、読み始めた時はいまいち馴染めそうにないな・・・と眉をひそめていたんだが、さりげなく出てくるちょっとした出来事が全て、衝撃のラストへと繋げるための伏線になっているのはこの作者さん旨いな~って素直に思ったのでシリーズの別作品も読んでみようかと思いました。
舞台が同じってだけで登場人物は共通じゃないんかしらね?

ベージ数にするとたったの160ページ。
おそらく小一時間もあれば読めてしまうんじゃないでしょうか。
だが短いからと侮る事なかれ!
その評判に偽りはなし。最後にとんでもない衝撃が待っていることでしょう。
この本は非常にお勧めしておきます。

今シーズンは出来るだけ読んだ本、全ての感想文を書こう!と出来もしない決意を表明しておいて今宵の〆としておきます。
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by kannei0521 | 2012-02-09 21:37 | 読書日記 | Comments(0)

上遠野浩平『恥知らずのパープルヘイズ』

さて今日も読書日記を書こうかと思うのですが、今宵ご紹介するのは珍しくミステリーではなく冒険小説?とでもいうんですかね、今年で25周年を迎えた「ジョジョの奇妙な冒険」のノベル化企画第一弾として登場した第五部の後日談的な物語を描いた「恥知らずのパープルヘイズ」です。

※注意
ジョジョの奇妙な冒険の第五部のネタバレがあるので未読の方は是非本編を先に読んでね!


まずこの小説を読むに辺り、大前提となるのが「ジョジョの奇妙な冒険」の第五部を読んでいること!
五部を読んだ事がある人なら誰もが思ったはずなんですよ。
あれ?フーゴどうなった!?って。
ブチャラティーチームの一員としてジョルノらと共に組織のために戦ってきたフーゴなんですが、ジョルノとブチャラティーがボスを裏切る決意をした際、他のメンバーがブチャラティーと共に行く道を選ぶ中、フーゴだけは組織に残る道を選びます。
第五部本編では彼はそのままフェイドアウツしていくのですが・・・まさかの最後まで二度と登場することがないという結末。
いやいやいや、少年漫画でこのパターンはきっとそのうち助けに駆けつけるパターンじゃないですか!ピンチになったジョルノを助けるために再登場してくるのが王道じゃないですか!
しかしさすが荒木先生は格が違ったようでまさかのメインメンバーを最初からいなかったかのようにスルーして終了するという大技を繰り広げてきました。
この展開は読めなかった・・・と驚愕したもんです。

一説によると、フーゴのスタンド・パープルヘイズが強力過ぎて扱いに困った荒木先生が意図的にさっさと物語から退場させてしまったってことみたいですね。
パープルヘイズの能力は、その左右の拳に3個ずつ、合計6個付いてるカプセルから発射される殺人ウィルスを撒き散らすこと。
ばら撒かれたウィルスに感染すると生物はあらゆる代謝機能を失って崩れ落ちる。
余りにも強力過ぎるせいか、本編でもパープルヘイズが戦ったのはわずか一戦のみ。
もしフーゴが途中離脱せずに最終戦までいたらボスのディアボロなんか簡単にやっつけれてちゃったかもしれんよな。

さらにもう一説は、第五部の最初の構想段階ではラスボスの正体がフーゴだったらしいですね。
んでジョルノやブチャラティーを裏切って戦うって流れを予定していたそうだが、荒木先生がこのストーリーは嫌や!って止めちゃったって説もあるそうです。
フーゴラスボスストーリーってのはちょっと見てみたいかもしれない。

さて大分話がずれてしまいましたが、本書の主人公はそのフーゴとなります。
彼はチーム離脱後、一体どうしていたのか?
そしてボス(ディアボロ)を倒し組織の新たなボスとなったジョルノはどうなったのか?
チームの数少ない生き残り、ミスタは?
その辺が描かれている物語となっています。


チームと決別をして半年の間、場末のバーでピアノの弾き語りをして小銭を稼ぐその日暮らしのような生活を送っていたフーゴの元に組織からの使者が現れた。
シーラEと名乗る女だった。
彼女に連れられ向かった場所でフーゴを待っていたのは、かつて共に戦った男、ミスタであった。
ミスタはディアボロとの戦いでも生き残り、今や新たなボスとなったジョルノの下で、組織のNo.3として君臨する男になっていた。
ミスタはフーゴに問いかける。「お前は裏切り者なのか?」
その問いに、フーゴは静かに答えた。「僕は組織を裏切ったことなど一度もない」
その答えを聞いたミスタは、「ならばお前は証明しなければいけない。俺たちの敵ではないという証明に俺たちの敵を殺してこい・・・それができなかったら俺があらためてお前を殺す」
と、命令を下したのであった。
目標となるのは組織の負の遺産である麻薬チームの連中。
敵がチームである以上、こちらもチームで挑むしかない。
フーゴは組織から派遣された、シーラE、カンノーロ・ムーロロと共に戦いの地へ赴く。
裏切り者、恥知らずと罵られたフーゴの辿る運命とは一体・・・。


さてまず本書の感想を書きますと、嫌いじゃなかったってところでしょうか。
荒木先生が描いた公式の物語ではないにせよ、フーゴのその後がどうなったのか?という点についてはきちんと結末を付けてくれたので長年つっかえていた物が取れたような気がします。

物語はフーゴチームの3人と麻薬チーム4人のバトル。
仲間になったシーラEとムーロロも、一癖も二癖もあって一筋縄ではいかないストーリー展開で中々楽しめたのでないでしょうか。
特にムーロロは結構好きだったかな。
態度が横柄で居丈高、いかにもギャングですといった風なボルサリーノ帽を被った伊達男・・・を気取っただけの男。
一見してどうしようもない男なんだが、その正体とは・・・。

麻薬チームの4人がジョジョ特有の中々のグロいスタンド使いばかりで良かったんですが、いざバトルになったら結構あっさり勝負が付いてあるぇ?って感じで拍子抜けだったのがちょっとな~。
特に最終戦となるマッシモ・ヴォルペとの戦い。
当然主人公のフーゴとの戦いになるんだが、これが酷いご都合主義な展開で、いや~これは無いわ・・・って絶句してしまった。
この結末はどうなん?と小首を傾げる最終戦だけはかなりいまちでした。
だけはって書いたけど、戦いに関しては全部いまいちかもしれん。
この作家さんの話は始めて読んだけど、人物設定やら物語の展開やらは割と凝ってて面白かったかな~、ただ戦いに関しては恐ろしくつまらない。
ジョジョってスタンドバトルが命なんじゃないの!?ってことなんだが、そもそも活字でスタンドバトルを表現するのはやはり無理がありますかね。

そして本書で一番注目すべきなのは、そこかしこに散りばめられた小ネタの数々。
どうも作者さんがかなりのジョジョオタなせいか、本編を読んだ事が有る人なら思わずニヤリとしてしまうようなネタが随所に仕込まれています。
ただ、ちょっとやりすぎなきらいもありますかね。
いきなり石仮面が出てきたのにはびっくりしたが、関係あるんかこのくだり?と首を傾げたりね。
あんまり書くともしこれから読む人がいたらあれなんで自重したいところだが、もう一つだけ書かせてほしい。
敵の一人、マッシモ・ヴォルペなんですが終盤で語られる彼の過去の回想。
そこでヴォルペの兄が登場するんですが、その兄の正体にはクソ笑ったwwwwww
いやいやいやいやこの設定は無いわwまさかの人物の登場やなwwwwwってハゲ笑ってしまったんだが、これはジョジョの本編を知っている人なら是非読んでみてもらいたいところですね。
ファンサービスなんでしょうけど、確かに面白いがこれはどうかと思ったわw

さてまとめですが、とりあえずフーゴのその後を知りたい人なら読むべきです。
本書以前に一度、第五部を題材にした小説が出ててそこでもフーゴのその後が描かれたことがあったそうですが、こちらはえらい酷評されているみたいですね。
その小説は最初から無かった事になって、満を持して登場した本書で再びフーゴのその後が描かれたわけですが、こちらは概ね好評のようでした。
実際読んでみた俺もその結末には一応納得納得。
フーゴ以外のジョルノ・ミスタのその後が垣間見えるのも良かった。

あの時、ジョルノたちを裏切った僕は正しかったのか?ナランチャが発したあの言葉はどういう意味だったんだ?と、ずっと悩み続けたフーゴがやがてその答えをみつけ、再び歩みだす物語です。
裏切り者、恥知らずと罵られながらも己の誇りを取り戻すために再び戦地に赴いた彼が辿る結末を是非、自分の目で確かめてみてください。
ジョジョ好きの人になら素直にお勧めできる本でした。
ジョジョ?なにそれ食べ物?って人は読んじゃダメだぞ!ワンピースでも読んでてください。
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by kannei0521 | 2011-09-28 23:05 | 読書日記 | Comments(0)

東野圭吾『マスカレード・ホテル』

都内を舞台にした不可解な連続殺人事件が発生した。
犯人の手がかりとなるのは現場に残された一枚のメモ。
警察は残されたメモを極秘に分析し解読に成功する。
分析の結果導き出されたのは・・・第四の事件の舞台となりうる場所であった。

犯人が残したメモが示す場所、そこは超一流ホテル・コンテルシア東京。
果たして事件は本当に起こるのだろうか!?
一体誰が狙われているのか!?そして犯人の正体は一体!?
全てが謎の難解な事件を解決に導くため、コンテルシア東京に一人の男が乗り込む。

新田浩介。
警視庁捜査一課の刑事。
一流のホテルマンに扮装し、潜入捜査を開始する。
刑事が一流のホテルマンに扮装するなど無謀だと、周囲もそして本人も反対するのだが上層部の意見に押し切られて捜査に着手することとなる。
フロントクラークとして、フロントを訪れる怪しげな客たちに目を光らせることとなった。
彼は、客の仮面を剥がすのが仕事である。

山岸尚美。
コンテルシア東京にフロントクラークとして勤務している。
刑事がフロントクラークとして職場に立つと聞いた彼女は当然のように反対するが、上司に諭されて渋々了承する。
そして、上司の信任厚い彼女は新田刑事の教育係に任命されるのであった。
全てお客様を第一と考えるプロフェッショナルなホテルクラーク。
彼女は、お客様の仮面を守るのが仕事である。

果たして、コンテルシア東京を舞台にした事件の顛末はいかなるものなのか!?
物語は、本のページを開いたその時から始まる。
さあ、マスカレードホテルにようこそ!


はい、そんなわけで久方ぶりの読書感想日記です。

事件の発端は不可解な連続殺人事件。
現場には謎の数字を書き記したメモが残されてるのですが、その数字を解読したら次の事件の場所が分かる親切システムだったみたいで、次がこのコンテルシア東京だ!と発覚するわけですね。
しかしながら、本当に事件は起こるのか!?誰が狙われているのか!?そして犯人は!?と、全てが謎のまま。
そんな状態で捜査を余儀なくされた捜査陣が出した答えが刑事をホテルマンに変装させて潜り込ませばいいよ!ってね。
この展開はどうなんか?と思ったがまぁそんな物語です。

物語は、潜り込むことになった刑事である新田と、彼の教育係で一流のホテルクラークである尚美の二人の視点で進んでいきます。
新田は最初、自分が何故こんなホテルマンの真似事などしなければいけないのか?と捜査方針そのものに疑問を持ち、刑事としてのプライドの高さからことあるごとに尚美と衝突します。
しかし、尚美のプロフェッショナルな立ち振る舞い、お客様を第一と考え行動する彼女の姿勢を見て、徐々に変わっていくことになります。
この新田の変化、いや成長と言うべきでしょうかが物語の見所の一つですね。

流れとしては、以前紹介した著者の別作品『新参者』に似ているかもしれません。
ホテルを訪れる客達はそれぞれ様々な仮面を被っている。
そんな彼らが起こす些細なトラブルの数々を、新田と尚美が解決する様が淡々と流れていくのだが実はそれら全てが伏線で、やがて物語の帰結に向けて結集していく・・・ってこの流れは非常に綺麗でさすが東野圭吾やな~ってうなされました。

事件は本当に起こるのか!?ってまぁ当然起こるんですけど、犯人の正体は「おおそうきたか!」って感じで悪くはなかったですが、事件を解決に導くための何かを折々で新田が閃くのですが、それらは大概、尚美としている何気ない会話から閃くんですよ。
尚美って、金田一少年でいうところの美雪。コナン君でいうところの蘭姉ちゃんですかね。
この探偵と助手役の女性のコンビってのは不動なんだな~とどうでもいいことを思った。

事件の舞台は派手だが事件自体は地味な印象かな。
発生から解決までの一連の流れは非常に綺麗で素晴らしいとは思うが、インパクトにはかける感じ。
今年は、東野作家生活25周年だかで珍しく年内に3冊も新刊が刊行されたんですよ。

第一弾『麒麟の翼』 ※加賀恭一郎シリーズ最新作
第二弾『真夏の方程式』 ※ガリレオシリーズ最新作
第三弾『マスカレード・ホテル』 ※本書

読書感想日記を書こうかな~と思いながら全く書きませんでしたが全て読破済みです。
amazonなんかの感想をチラ見すると、3冊の中では本書が一番だ!って意見が圧倒多数みたいなんですよ。
いや~、俺は一番つまんなかったんだけどねw
この辺は個人の感想なんでそれぞれでしょうが、世間の評判は割と良いようです。
個人的にはガリレオシリーズ最新作の『真夏の方程式』が一番良かったかな~。
湯川が訪れた寂れた村で出合った少年はあの夜、一体何をやったのか!?っていう、少年と偏屈な学者の心の交流を描いた作品でしたが最後とかホロッときて良かったです。

おっと、話が反れましたね。
そうですね、最後の感想としては、この物語にはもう一人主人公がいるんですよ。
コンテルシア東京内での新田の相棒は尚美なんですが、彼の推理を手助けするもう一人の相棒として登場する能勢さんという所轄の刑事。
ハゲちらかした頭で見た目は冴えない中年。
新田からも一見してダメな男とレッテルを貼られる彼なんですが、本当は・・・っていう能勢の活躍が良かった、彼が主役でいいんじゃないの?とさえ思ったね俺。
もし本書をこれから読む方がおられましたら是非、能勢さんに注目してみてください。

そういやこの本、帯に「第三の男登場!」っていう謳い文句が書かれてるんですよ。
おそらく、第一第二の男って加賀恭一郎と湯川学のことだと思うんですね。
ということは、今後この新田刑事がシリーズ化されていくんですかね?
単に年内刊行3冊目の主人公!って意味なのか、そこんところが気になったがどうなんでしょうか。
どっちかと言えば、新田より尚美の方が人として立派で惹かれるものがあったんでシリーズ化するなら彼女を主人公にしてよ!と訴えたいところだが、ホテルクラークという職業柄それは難しいところですね。
同じホテルで何度も殺人事件を起こすわけにもいかんしなw
現実問題として今後ありえそうなのは、新田と加賀の競演ですかね?
これはちょっと見てみたいかもしれない。
新田刑事が加賀に出会えば一皮も二皮も剥けてきっといい刑事になれそうな気がする。
と、剥けてない皮を見つめながら俺が書いてみた。

ごめん、真面目に書こうと思ってたが後半大分えらいことになってしまった。
興味がありましたら是非読んでみてください。
とりあえず東野作品は一定の水準以上の質は保証されてるんで読んで損はない・・・はず!
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by kannei0521 | 2011-09-20 22:45 | 読書日記 | Comments(4)

米澤穂信『インシテミル』

結城理久彦は車が欲しかったが金がなかった。
そんな結城が入ったコンビニでふと手にしたアルバイト情報誌。
時給は高い方がいい、だが仕事は楽な方がいい、などと考えていた時にふと見つけた求人広告。

「時給11万2千円」

内容は、ある人文科学的実験の被験者。期間は7日とか載っていない。
24時間全ては観察されるが全てに時給が発生するという。
つまり7日で・・・約1800万円。

ただの誤植だろうと一度はスルーしかけたが、万が一のこともあるかもと応募することにした。
そして、そんなアルバイトに応募したことも忘れかけた頃、一本の電話がかかってきた。
それは結城に採用を伝える募集主であるクラブからの電話であった。
時給のことを問いただすも誤植ではなく、紛れもなく11万2千円であっているという。
いかにも胡散臭い話だったが、生来の楽天家であった結城は深く考えず参加を表明する。

後日、指定された列車に乗り行きついた先に待っていたのは自分以外の11名の男女。
彼らと共に案内されたのは、「暗鬼館」と名付けられた、外と隔離された地下施設であった。
薄暗く、奇妙な円形をかたどった建物。この「暗記舘」が実験の舞台となる。

館に到着後、実験についての詳しい説明もないまま与えられた個室に赴く結城。
そこには「おもちゃ箱」と名付けられたブリキの箱があった。
開けるとそこには・・・頑丈な火かき棒が入っていた。
さらに、この火かき棒で人間を「殴殺」することができる。と書かれた説明書のような紙も。
不気味な贈り物に訝しがってると、ここに来る前にたまたま知り合った女性、須和名祥子が部屋を訪ねてきた。
彼女は部屋に来ると、結城に緑色をしたカプセルを見せた。
部屋にこんな物が置いてあったのだと須和名は言うのだが、果たしてそれはニトロベンゼンという名の毒薬であった。
つまり、各部屋にそれぞれ何かしらの凶器が配られている?
これは一体何を意味するのか・・・。

一夜明け、何事もなく時は進んでいたのだが、昼になりラウンジに集まったメンバーにようやく今回の実験におけるルールの説明がされた。

<ボーナスに関する規定>
実験中は時給11万2千円が発生するが、ある特定の行動をとるとボーナスが支払われます。
①自分以外の者を殺害した者には、「犯人ボーナス」として報酬総額が2倍
②他の参加者に殺害された者には、「被害者ボーナス」として報酬総額が1.2倍
③殺害一件につき<解決>の場で正しい犯人を指摘した者には、「探偵ボーナス」として報酬総額が3倍
④<解決>を行う者は助手を一名指名できる。指名された者には、「助手ボーナス」として報酬総額が1.5倍

<夜に関する規定>
①参加者は午後10時~翌朝6時までは自分の個室にいなければならない。この時間帯を<夜>と呼ぶ
②<夜>の間、ガードが定められたルートに従い館内を巡回する
③<夜>の間に、個室を出ているところをガードに発見されると警告を受ける
④警告が3度累積した者が<夜>の間に個室を出ているところをガードに発見された場合、ガードによって殺害される

<解決に関する規定>
①参加者は、殺人を行った犯人を指摘できると思ったらいつでも他の参加者を非常召集できる
②非常召集が行われた場合、他の参加者は招集者の元に集まらなければならない
③犯人の指摘に対し、参加者の半数以上が賛同した場合、犯人と指摘された者は<監獄>に収監される

<ペナルティに関する規定>
①<監獄>に入れられた者は、その時点から報酬が時給780円になる
②殺人を犯していない者を犯人として指摘した場合、探偵ボーナスは取り消され報酬総額が0.5倍
③殺害を行おうとする際、第三者に制止されてもそれに従わなかった場合、ガードによって制圧され全報酬を没収する

ルール説明が終わると、参加者の中に動揺が走る。
俺たちに・・・殺人ゲームをやれということなのか!?
だが、何事も起きずにこのまま無事7日間を過ごすことができれば全員が1800万を得る事ができるのだ。
いくらボーナスが貰えるからといって殺人を犯すような人間はいまい。
参加者の一人がそう力説し、全員が納得する。
そう、このまま何事も起きなければ大金を得て無事に帰れるんだ・・・。

だが、やがて・・・事件は起こった。

発見される銃殺された参加者の一人。
一体誰が!?何故!?
一人の死を皮切りに、疑心暗鬼に囚われた参加者によるデスゲームの幕は切って落とされた。



いやね、今宵ご紹介する米澤氏の『インシテミル』はもうすぐ映画化されるようなんですよ。
ついちょっと前に某映画を見に行ったんですが、そこでこの映画の予告編が流れてたんですよ。
それがめっさ面白そうでね!
気が付いたら原作本を買っていた、な、なにが起きたのか分からなかった・・・。

さて本作は、先ほど上で書いた適当なあらすじを読んでもらうと少しは分かるかと思うのですが、高額の報酬を目当てに集まった男女が隔離された施設内で実験と称した犯人当てゲームをやらされるというお話なんです。
いわゆる、デスノートやライアーゲーム、そしてカイジなんかと同じような話だと思ってもらえれば分かりやすいかと思います。
決められたルール内で戦う心理戦ってやつですね。

最初は、今日はネタバレ全開で書こうと思ってたんですよ。
というのも、ネタバレ抜きで書くのは非常に難しい内容です。
でもまぁ映画公開も近いのでやめました。
ていうかまぁネタバレを知りたかったら、ちょいとググれば他の色んな人が書いてくれてますしね、俺なんかが今更書くほどのもんでもないかなって気もします。

さて物語なんですが、非常に凝ったルールが設定されておりますが、案外内容は分かりやすくていい感じでしたね。
そうそう、上である程度のルールは書いてみましたが、本当はもっと細かく色んなルールがあります。
分かりやすく重要そうなところだけ抜粋して書いておきました。
しかしまぁライアーゲームやカイジなんかが好きな人ならすぐにピンとくるかと思うのですが、こういうある決められたルール内で戦う場合に重要なことは・・・いかにルールの裏に気づくか。
全部読み終わった後でふと読み返してみると、これはあれのためだったのか、などなど考えさせてくれます。

今回の物語は、全て主人公である結城理久彦の視点で進行します。
最近は途中で視点が入れ替わり立ち代わり進行する物語が多いんですが一人だけなんでシンプル。非常に分かりやすくなっております。
物語自体は、一つの殺人が発生してからは事態が急変し、新たな事件が発生する度に一転二転していくという実に小気味いい感じに進行して行くので非常に先が気になる。
うん、気になりすぎて2日で読んでもうたがな!

思わず一気に読み進んでしまったんですが・・・最後はしょぼかった!
うん、オチはいまいちだったなw
いまいちというか、「またこれか!」と思ったのと、「で、結局なんやねん!?」って思ったのと2つでした。
どうもはっきりと分からないままフェイドアウツしていくオチは好きじゃない。
結局このクラブってなんなん?
つうか最後のあれはどうなった?
あいつ一体何者やねん!
などなど、数々の謎が残ったまま物語は終わってしまうんですね。
俺は個人的にはなんでもいいから作者が用意したはっきりした結末が欲しい派なんですよね。
曖昧なまま、後は読んだ皆さんが想像して楽しんでください^^みたいなオチは好かん。
この点だけは非常に不満でしたが途中の展開は非常に面白かったかと思います。
特に、終盤の結城による推理劇。
意外な助手?に意外な手法?を使っての推理は非常に面白かった。
こんな論理で推理を進めるのか・・・と中々の見ごたえでした。
興味が沸いた方がもしおられたら一度読んでみるといいかもしれません。

最後に余談ですが映画の話題。
今回も、原作を読む前に映画のキャストが発表されてたんで、どうしてもそのキャストを知ると作中の人物をそのキャストのイメージを当てはめて読んでしまうんですよ。
映画の公式HPは見ずに、映画の予告編だけしか見てなかったんで誰がどの役とかは知りませんでした。

主人公は藤原竜也っぽかったので、結城が藤原だろう。これはガチ!
序盤から結城と行動を共にすることになるお嬢様の須和名祥子だが・・・キャストを見たらそれっぽい女優が二人いるお!!
綾瀬はるかと石原さとみ、どっちが須和名なんだ!?
なんて悩んでて結局、須和名祥子のイメージは定まらずに読破してしまったんだが、後で公式HPを確認したら須和名役は綾瀬はるかみたいですね、なんか納得した。

後、北大路欣也も出演するってのをチラッとだけ知ってたんですが、登場人物の中には年配のおっさんが一人しかいなかった。
このおっさんが欣也か~、なんて思いながら読み始めた。
ほら、欣也ってば大御所じゃないですか。大御所はすぐに死なないじゃないですか。
原作のおっさんはえらいすぐに死にそうなイメージのキャラ設定だな~って思いながらも欣也は死なねえからこのおっさんは長生きする!って読み始めたら真っ先に死んでクソワロタw
キ・・・キンヤがあ!!KINYAが死んじゃったよおお!と笑ったけど衝撃を受けたんだが、これも読破後に公式HPを確認したら、KINYAはどうやら別の役をやるようだった。
なんか映画版はそもそも登場人物が10人になってるし、年齢なんかの設定もえらい変わってますね。
10月に公開か~(ーΩー )ウゥーン見るべきか悩みどころだ。
おっと、無駄話が長くなって参りましたので今宵はこの辺で。
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by kannei0521 | 2010-08-25 23:59 | 読書日記 | Comments(2)

木下半太『悪夢のエレベーター』&『奈落のエレベーター』

『悪夢のエレベーター』
後頭部の強烈な痛みで目を覚ますと、そこはエレベーターの中だった。
徐々に戻ってくる記憶・・・そう、確かに俺はエレベーターに乗った。
しかしそのエレベーターは緊急停止し、ドアも開かない状態であった。
一体、何故?
ふと周りを見渡すと乗客は俺以外に3人。
一見してヤクザ風のヒゲ男。
バッタのような風貌のメガネ男。
青白い顔をした自殺願望の女。

俺はこんな所に閉じ込められているわけにはいかない。
たった今、妻から陣痛がきたという知らせが携帯に入ったのだ。
一刻も早く妻の元に駆けつけねば・・・。
そう、俺はこんなところで立ち止まっているわけにはいかないのだ。
なんせこのマンションは・・・浮気相手が住むマンションなのだから!

不気味な3人と共にエレベーターに閉じ込められた男、小川。
一刻も早く立ち去りたいのだが、一向に動く気配がないエレベーター。
やがて3人には犯罪歴があることが発覚し、小川は精神的に追い詰められていく。
そして、ついに事件が起こる。
事件を皮切りに、事態は一転二転と変化し、物語はあらぬ方向へと加速していく。
この事件は・・・何かがおかしい。
事件の真相とは一体!?
そして、その意外な黒幕の正体とは!?

『奈落のエレベーター』
やっと抜け出した悪夢のエレベーター。
しかし、三郎は再びそのエレベーターに引き戻される羽目に。
三郎の前に立ちはだかる、殺意に満ちた少女。
一方、三郎と同じく無事にエレベーターを脱出したマッキーの元にも男の魔の手が・・・。
薬で眠らされたマッキーが目を覚ますと、そこはどこかの倉庫の中。
目の前には謎の男。
自分たちは最初からこいつにハメられていた?
全ての謎が解き明かされる『悪夢のエレベーター』のその後。
怒涛&衝撃のラスト。


今宵は木下半太氏の2作を同時に紹介したいと思います。
amazonかなんかで読む本をサルベージしてる時にふと行き当たったのがこの本でした。
あらすじに、コメディータッチなサスペンスと書かれていたので2冊同時に買って読んでみたのですが、意外に面白かった!
ただし1冊目だけな!

『悪夢の~』は、前半の舞台はエレベーターの中という密室だけ。
登場人物も4人のみ。
プロローグとエピローグを除くと、全3章仕立てとなっているのですが、それぞれの章で視点が変わるという構成になっています。
第一章は最初の主人公の小川の視点。
気が付くと浮気相手が住むマンションのエレベーターに閉じ込められていたわけですが、何故自分がこうなったのか?を考えているうちに様々な謎が浮かび上がってきます。
そしてその後、第二章、三章と物語は進むにつれ事態は急変していきます。
おっとこの展開は読めなかったな!と、個人的には先が中々読めなかったので非常に面白かったですね。
基本的にコメディタッチで小気味よくクスリと笑えるような感じに仕上げてくれているので読みやすいのも好感がもてます。
ただし終盤は、あれま!?とまさかの展開であった。
そして、物語は唐突に終わってしまいます。
あれ!?ここで終わるの!?ってところで前半戦となる『悪夢の~』は終わっちゃうんですね。

んで、『悪夢の~』のラストシーンの直後から始まるのが『奈落の~』です。
元々、2冊で1つの話を描く造りだったのか、『悪夢の~』の人気がでたんでこちらが付け足されたのかは知らないのですが、こちらのお話、続編は続編なんですが、その物語の質は全く別物となっています。
『悪夢の~』がコメディであったのに対し、『奈落の~』はサスペンス色が強くなり、尚且つかなりシリアスな展開になっています。
あんまり笑えないんですよ、そして何より・・・面白くない。
うん、後半はびっくりするくらいしょうもない話であった。
『悪夢の~』はコメディ風な仕上がりの中に、一転二転する物語の面白さがあったのですが、『奈落の~』はハラハラさせるようなサスペンス風に書かれているものの物語の面白さは全く無かった。
最初っから最後まで、くだらね~と思って読んでしまった。
前半の『悪夢の~』は非常に面白かったんだけどなぁ/(-_-)\
ただ『悪夢の~』を読むと、続きが気になっちゃうんですよね。
あれ、こんなところで終わっちゃったらこの後どうなるの!?と非常に気になる造りになってる。
でもそれが罠だった!

最後に余談ですが、まだこの話には続きがあるようです。
『悪夢のギャンブルマンション』という本があって、同じ登場人物がでてるようだが・・・(ーΩー )ウゥーン。
問題なのはその本がすでに手元にあるということだが、まだ未読なんで面白いかどうかは謎です。
さていつ読むやら。
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by kannei0521 | 2010-08-03 23:12 | 読書日記 | Comments(2)

西澤保彦『麦酒の家の冒険~依存』(タック&タカチシリーズ4編)

今宵はまた久しぶりに読書日記でも。

今宵ご紹介するのは西澤保彦氏の本なんですが、面倒なんで4冊一気にご紹介したいと思います。
氏の作品の中には、同じ登場人物が活躍するシリーズ物があるんですね。
タック&タカチシリーズと呼ばれている日本の某所(四国?)にある安槻大学の仲良し4人組が主人公となる一連のミステリーです。

①シリーズ第一作『彼女が死んだ夜』はすでに紹介しました。
※参照→(2010/3/11の日記
タックやタカチにボアン先輩、そしてウサコの4人組が巻き込まれることになった第一の事件を描いた物語です。

当シリーズはそれぞれ独立したお話にはなっているものの、時系列に沿って読み進めると一層深く楽しめる嗜好となっています。
では第二作~五作目までのあらすじを紹介してみましょう。

②シリーズ第二作目『麦酒の家の冒険』
夏の事件(彼女が死んだ夜の話)で多くの仲間を失い深く傷ついた一同は慰安旅行を計画。
車に乗って、とある高原にまでやってきたのだが、帰り際に不運にも車がエンスト。
辺りはすでに暗くなっておりそのまま下山するのも困難な状況に。
そんな折、道中に空き家があったことを思い出し車を捨ててそこを目指す。
緊急事態で止む無しと窓を破って上がりこんだ一同だが、そこで待ち受けていたのは・・・1台のベッドと冷蔵庫のみ。
冷蔵庫を開けると、そこには冷えた96本のビールと13個のジョッキ。
他には一切何も置かれていない奇妙な空間。
喉の渇きに耐えかねて、1本また1本とビールに手を伸ばす一同だが酔いが回り始まると共に、この奇妙な家の存在について様々な推理を語り合いだす。
一体この家はなんなのか!?
何故ベッドと冷蔵庫以外置いていないのか!?
冷えたビールとジョッキの謎とは!?
4人が推理談義の末に導き出した驚愕の真相とは一体・・・。

③シリーズ第三作目『仔羊たちの聖夜』
タックとタカチ、ボアン先輩の3人が始めて出会った1年前のクリスマスイブの夜。
彼らはその日、女性の転落死を目の当たりにしてしまう。
自殺として処理されたこの事件から一年後、あるきっかけから転落死した女性の身元をたどることになった彼らが知ったのは、5年前にも同じビルで不可解な転落死があったということだった。
二つの事件は関係があるのだろうか?
謎が謎を呼ぶ二つの事件・・・そしてまた新たな事件が!
イブの夜に起こった悲劇にタカチが挑む第三の事件。

④シリーズ第四作『スコッチゲーム』
タカチこと高瀬千帆が大学に入学する2年前の出来事。
郷里の女子高卒業を控えたタカチの寮で、ルームメイトが殺されていた。
現場の状況から容疑者となるタカチだったが、持ち前の負けん気と推理力を駆使し独自に事件の捜査を開始する。
やがて浮かび上がる一人の容疑者。
しかしその容疑者は、犯行時刻に不審な人物とすれ違った。ウィスキーの瓶を携え強烈なアルコールの匂いを発していた。そして河原で中身を捨てると川の水ですすいで空き瓶を捨てていった。と、奇妙なアリバイを主張する。
この奇妙なアリバイは他の人の目撃証言から裏づけされ、やがて事件は迷宮入りに・・・。
タカチは2年前の事件の謎を解くため、己の過去を清算するため郷里へ飛んだ。
その傍らにはタックの姿が。
タックはタカチを過去の呪縛から救い出すことは出来るのだろうか・・・。

⑤シリーズ第五作『依存』
安槻大に通う4人組に新たなメンバー、ルルちゃん、カノちゃんにケーコたんの3人を加えた7人は白井教授宅に招かれた。
そこで教授が最近、長く連れ添った妻と離婚し、三十代の若々しく妖しい魅力を放つ女性と再婚したことを知る。
そんな彼女を見てタックは青ざめる。
「あの人は僕の実の母なんだ。僕には彼女に殺された双子の兄がいた・・・」
タックの衝撃の告白から幕を開ける、タックの過去の物語。


おっとあらすじ紹介だけでクソ長くなって参りました。
シリーズを一気に紹介しようという企画自体に無理があったか!

当シリーズは作品ごとにメインとなる視点や探偵役がそれぞれ変わっていく趣向となっています。
面倒なんで数字で書きますが①と②はタック視点で探偵役もタック。
③は視点こそタックだが探偵役はタカチへと交代します。
④は逆に今度はタカチ視点の物語となりますが探偵役はタックへ。
ここまで書くと4人組が主人公という割にタックとタカチしかでえへんやないか!って感じですが、まぁ実際この二人が主人公と言っても過言ではない。
ボアン先輩は良い感じの狂言回し役として登場し、随所随所で絶妙なボケや突っ込みを繰り出す名脇役といったところでしょうか。

さて問題なのは残りのもう一名、ウサコの存在。
4人組が主人公と謳われている当シリーズなんですが、タックとタカチ、そして先ほど名脇役と称しましたがボアン先輩の3人は確かに主人公と呼んでも差し障りのない存在でしょう。
しかしこのウサコ、彼女だけはどう考えても脇役なんですよね。
そう、①~④までは本当の脇役でしかなかった。
しかし⑤で、今まで大人しかったウサコが牙を剥いた!
なんと、⑤はそのウサコ視点で物語が進むというまさかの展開であった。

個人的には、④まではこのウサコが4人の中では一番好きだったかな。
マスコット的な立ち位置で出番こそ少ないもののその愛らしい立ち振る舞いで場を和ます潤滑油として物語の進行を促していました。
まぁ大学生にも関わらず小学生に間違えられるほどの童顔の幼児体型という表記に興奮しただけかもしれませんが!どうもロリコンですいません。
兎も角、④まではそんなただのマスコット的な存在でしかなかったウサコだが、⑤で彼女の内に秘めていた想いや葛藤が明るみに出て驚かされたのですがそれは読んでのお楽しみ。

すでに長くなってしまったんでさっさと締めましょう。
当シリーズは、実はまだ続いているようなんですがこの『依存』で一応の第一部完!という趣となっている気がします。
シリーズが進むごとに微妙に変化していく4人の人間関係が見所となっています。
特に、人を寄せ付けない美貌と個性を持っていたタカチの変化が面白く描かれていますね。
彼女が頑ななまでに人間を拒否するようになったのは何故なのか!?
そんな彼女を苦しめていた過去の呪縛をタックが解き放つことで彼女は救われるわけです。
タックによって救われた彼女は「彼がピンチに陥った時には、必ず私が助け出す」と決意します。
そしてその時というのは早くも訪れて・・・とタカチとタックの関係性も大きく変化をしていくわけですが、その辺は是非読んで確かめてほしいものです。

そうそう、大事なことを書き忘れていましたが当シリーズ、面白いのかと問われると・・・実は面白くないぞ!
いやね①は前評判通り面白かった!中々の傑作であった。
しかしそれに続く②~⑤、このシリーズの売りは4人の軽妙なやり取りで、西澤氏の得意なユーモラスな面を前に押し出したコメディータッチなミステリー!と思っていたのだが、シリーズが進むごとに物語は重くドロドロとしたものへとなっていきます。
人間の奥底に潜む悪意や欲望が生み出す惨劇をこれでもかと見せてくれます。
読後感なんて最悪だぞこの野郎!

しかしそれでも読ませてしまうのが西澤氏の凄いところだと思います。
最初から読み出すと、4人はどうなっていくんだろう?というのが気になってついつい先に進んでしまいました。
あんまりお勧めは出来ないんですが気になった人は読んでみてください。
おお、我ながら悲惨な紹介日記になってしまったが今回はこの辺でおしまいです。
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by kannei0521 | 2010-07-27 23:59 | 読書日記 | Comments(2)

北山猛邦『「アリス・ミラー城」殺人事件』

日記に書くネタが何も無いんで久しぶりに読書日記でも書きたいと思います。
今宵ご紹介するのは、北山猛邦氏の『「アリス・ミラー城」殺人事件』という本です。


東北地方の日本海に浮かぶ絶海の孤島に建てられた「アリス・ミラー城」。
一歩その城に足を踏み込むと、そこは「鏡の国のアリス」の世界に迷い込んだような錯覚を覚えてしまう不思議な空間であった。
その城にある目的を持って集まる8人の探偵たち。
ある目的とは・・・城に眠ると言われるお宝「アリス・ミラー」を探し出すこと。
彼らはそれぞれの依頼主に雇われここにきた名のある探偵たちだった。
宝探しのルールはたった一つだけ。

アリス・ミラーを手に入れられるのは、最後まで生き残った人間のみ。

城の当主ルディから不穏なルール提示を受け、惨劇は幕を開けた・・・。
顔を焼かれた死体。密室から消えた犯人。遊戯室に置かれたチェス盤からは、一人殺されるたびに駒が一つずつ消えていく。
誰が?なぜ?どうやって?
ミステリーの古典的名作「そして誰もいなくなった」に挑む究極の犯人当てミステリー。


前回の読書日記から大分、間が空いてしまいましたね。
いや~最後のを書いて以降そうですね、冗談抜きで30冊くらいは読んだ気がするんですけど、一向に書いてないです。
読んだ本の感想文は全部書きます!とかどの口が言ってたんか分かりませんが、一旦面倒になると最初から無かった事になるという俺の良い面がでた結果です。
㌧とご無沙汰だった読書感想日記ですが、今宵は久々に重い筆をとりました。
というのも、今宵紹介する本書なんですが・・・久々にびびった!
色々読んでると、柔らかいうんこみたいなのとか堅いうんこみたいなのとか色んな本があるもんなんですがこれは久々に衝撃の結末だったので紹介してみたいと思います。

あらすじを見てもらうと分かるのですが、まず内容が古臭い。
不可解な死体に密室とか、お前これいつの時代の小説だよ!と憤りを覚えてしまうこと請け合い。
いわゆる本格物ってやつなんでしょうけども、もう今更って感じですね。
俺も中学や高校の頃はこの手の小説が好きでよく読んだものですが、その余りにもリアリティーの無い話にだんだん嫌気が刺してきて㌧と読まなくなりました。
機械的なトリックっていうんですか?この密室はこういう仕掛けでこうやって作られていたのだ!とか変な図解入りで説明されてても、(゜Д゜) ハア??ってなもんです。
説明されても意味分からんし!とか俺は思ってしまうんだが、果たして本書はどうかというと・・・うん、図とかいっぱいでてきた。
読んでたら途中で吐き気さえしてきそうだったんだが、まさかあんな結末だったとは・・・。

本書は多人数視点とでもいいましょうか、目まぐるしく視点が変わっていきます。
大体多くても2・3人の視点から描かれる小説が多い気もしますが、本書は凄かった。
8人の探偵の中の4・5人くらい+探偵を招いた側の人間であるルディとルディに雇われたメイドの堂戸さん。合計7人くらいの視点が入れ替わりながら進行するんじゃないですかね、いや~俺が知ってる限りじゃ過去最高のカオスっぷりっすね!

んで個人的に驚いたのは、第一章は探偵の一人、鷲羽の視点で物語は進行します。
今回の主人公はこいつか~、なんて何も知らなかった俺は普通に読み進めていたのだが二章で真っ先にこの鷲羽が殺されてて笑ったw
ちょっ、おまっ、主人公違うんか!と自分で自分に突っ込んでしまいましたがな。

さて物語は鷲羽の死を皮切りに連続殺人劇の幕開けとなるのですが、密室だったりばらばら殺人だったり、挙句にはチェス盤を使った見立て殺人だったりで、なんかもう金田一少年あたりが大好きそうな展開となってます。
次から次へと人が死んでいくので、当然容疑者も絞られていきます。
大体ミステリーって、登場人物の誰かしらを「きっとこいつが犯人だ」なんてことをおぼろげながらも考えて読むもんじゃないですか。
そして進行と共に、下手したら「こいつかもしれん」と思う人物が過半数を超えるかもしれません。
んでいざ犯人が分かった時、「こいつかもしれん」と思った人物の中の誰かが犯人だった時「ほらやっぱりな」と自己満足してしまうもんです、その推理には何の根拠も無いただの直感だけだとしても。
いやそれでいいんです、ミステリーの楽しみ方ってそんなもんだと思うんですよ。
俺も本書を読みながら「こいつかもしれん」と、複数人の容疑者を考えながら読み進めました。
そして最後の最後、ついに犯人の正体が明かされるところまで読んだのですが・・・Σ('◇'*)エェッ!?
これは分からなかった・・・この発想は無かったわあああああああうわああああああ!!

いや、ここまで犯人が分からなかったミステリーは始めてでした。
最後の最後まで本気で分からなかったお・・・。
ごめん嘘を付いてしまった。
実は、最後まで読んで犯人の正体が明らかになっても(゜Д゜) ハア??って感じだった。
これはどういうことなん?と頭の中が???ってなったんで「アリス・ミラー ネタバレ」みたいな単語でググッて解説してくれてるサイトを探した。
そしてそこの内容を読んで、おおこういうことだったのか・・・とようやく真相を知った次第であります。
これは究極の犯人当てミステリーだったなぁ・・・。

結論としましては、途中まではよくある本格物ミステリーです。
結構内容はグロいんで人によってはちょっと精神的によろしくないかもしれません。
しかしながら、犯人は一体誰なのか?を推理しながら読んでみてください。
もし初見でずばり犯人を言い当てることが出来た人がいたなら・・・おっさんちょっと尊敬しちゃうよ!
今まで色んなタイプのミステリーを読んできましたが、これは未だかつてない、山田かつてないミステリーでした。
もうすぐ梅雨入りですね、雨の夜長に一度、究極の犯人当てに挑戦してみてはいかがでしょうか?
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by kannei0521 | 2010-06-08 23:00 | 読書日記 | Comments(2)

小泉喜美子『弁護側の証人』

場末の一流とは言えないキャバレーのストリッパーとして働くミミイ・ローイこと漣子は、たまたまその店を訪れた八島財閥の御曹司・杉彦に見初められる。
そしてそのまま、一ヶ月余りのスピード婚、玉の輿に乗った。
しかし幸福な新婚生活は長く続かなかった。
義父である当主・龍之介が何者かに殺害されたのだ。
容疑者はすぐに逮捕され、その後開かれた裁判、一審ででた判決は死刑。
その判決に疑問を持った漣子は、親友のエダ、風体は冴えないが切れ者の弁護士・清家洋太郎と共に事件の再調査を開始する。
果たして、この事件の真相とは一体・・・。
控訴審にて、弁護側が切り札として召還した証人とは誰なのか!?
漣子の、生死を賭けた法廷での戦いが始まった。


今宵、ってまぁまだ昼間だが紹介するのは小泉喜美子氏の『弁護側の証人』という本。
さてこの本、初版がこの世に出されたのがなんと1963年だといいます。
つまり約50年前じゃないですか。
長らく絶版本となっていたのですが、昨年辺りに復刊されたようです。
こんな古い本、何を今更と思うのですが、叙述トリックの古典的名作と謳われていたので叙述トリックに嵌っている昨今、つい手をとってしまいました。

まず、本書を紹介している書評なんかに目を通しますとよく目に付くのが「時代を感じさせない」なんていう言葉。
うん、それは無い。
古い!やっぱ古いよこれ!!
カナ使いがやおかしかったりして相当違和感を感じますし、文体も非常にレトロ調で実に読みにくかった。
そもそも設定で「財閥」って言葉がでてくること自体が時代を感じさせますわな~。

そして起こる事件も至って地味。
財閥の当主が屋敷の中で撲殺されるというありがちな事件。
ありがちな容疑者が逮捕され、裁判によって死刑を宣告される。
判決を不服に思った仲間たちが容疑者を助けるために事件の再捜査をし・・・って流れですね。

しかしながら、地味な展開こそが罠とでも言いましょうか、読みながらこの話が叙述トリックの古典的名作と呼ばれていることなんかぽっくり忘れてましたのでまんまと騙された。
なんつうかまぁ正直、退屈だった。
途中は非常に面白くなかったんで瞼も半分下がったような状態で読んでたもんですから、すっかり騙された!

物語も佳境に差し掛かり、いよいよ最終章。
舞台は法廷に移り、裁判の控訴審が始まった!
ってなった時にね、あれ?なんかこれおかしくね!?ってそれまで眠くて半分瞑っていた目が見開いた。
そうです、おかしくね!?って思った時にはすでに作者の罠に嵌った後ですね。
うんこ食ってたつもりだったのに、いつの間にかカレー食ってた、みたいな。
そして毎度お馴染みの、俺はいつ騙されたんだろう・・・って考えるんですが最初から騙されてるんだよ!

さすがに叙述トリックの古典的名作と呼ばれるだけあって内容はあれですけどトリックそのものは鮮やか。
読み返してみると、文中に巧みに張られた伏線の数々に気づいてニヤリとさせられます。
最近はよく叙述トリック物を読んでいますが、これは本当に綺麗に天地がひっくり返った!
よく出来たお話でした、古臭いけどね。

ページ数は250枚くらいと非常に短いので小一時間もあれば読み終えることができるのではないでしょうか。
ちょっとした合間に読むのには丁度いいかもしれませんね。
そうそう、一つ気になるというか別に気にならなかったんだけど、本書で起きる事件では容疑者は一人だけ殺して死刑判決を受けるんだけど、なんか昔の法律で<尊属殺>とかいうのがあって近親者を殺したら凄く重い罪に問われるってのがあったようですね。
今はその法律自体が無くなってるんで、一人殺しただけじゃ~死刑にはならないよね~。
どうでもいいんだけど、そんな注釈もしてくれてました。
あら、法律の勉強にもなっちゃった!
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by kannei0521 | 2010-03-14 10:53 | 読書日記 | Comments(0)

ゲーム日記らしいです。


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