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貫井徳郎『慟哭』

連続して起こる幼女誘拐事件。
果たしてこれらは、同一犯による犯行なのだろうか?
捜査は難航し、窮地に立たされる捜査一課長・佐伯。
異例の昇進をした若手キャリアとして捜査の指揮を取る彼だが、そんな彼をめぐって警察内部からは不協和音が生じ、またマスコミも彼の私生活を暴きたてようと執拗に追いかける。
こうした厳しい状況の中、事件は新たな局面を迎えるのだが・・・。

全てに絶望し、新興宗教に手を出す男・松本。
松本の目指す究極の目的とは一体・・・。



さて今宵紹介するのは貫井徳郎氏の『慟哭』という本。
この本も、前回同様「どんでん返し ミステリー」でググッた時に真っ先に紹介されていた本の一つでした。
しかしながら前回読んだ「イニシエーション・ラヴ」の恋愛とかそんな浮ついたような内容ではなく、そのテーマは「幼女誘拐」と「怪しい新興宗教」という実に、実に重いものとなっております。
幼女誘拐に宗教・・・なんか両方、近い将来に俺が手を出してもおかしくないテーマじゃないですかこれ!
まぁそれは置いといて、兎も角そのテーマから分かりますように、内容そのものも実に重く仕上がっておりました。

物語は幼女誘拐事件の捜査の指揮を取ることとなった捜査一課長の佐伯の視点と、あることに絶望し怪しげな新興宗教こそが自分が捜し求めていたものであると信じて堕ちていく松本の視点という、2つの異なった視点の物語が交互に進んでいきます。
最初は2つの物語の接点が全く見えてこないのですが、徐々に明らかにされていきやがて2つの物語は巧みに交錯していきます。
そして、驚愕の結末が・・・。

さて本書の書評を目にしますと、よく「驚愕の結末」という言葉が用いられています。
確かに驚愕の結末でしたが・・・すまん、今回はオチが途中で分かってしまった。
いやね、先に書いたように「どんでん返し ミステリー」という単語でググッて見つけた小説だったもんで、そうなると当然これも叙述トリック物だなというのは読む前から分かっていた。
それがいかんかった!
なんと言いましょうか、前々回に読んだ「葉桜の季節に君を想うということ」、前回読んだ「イニシエーション・ラブ」は同じ叙述トリック物でも変化球ですよ。
特に「イニシエーション・ラブ」なんかは魔球ですわ。
エポック社の野球版でいうと、打者の目の前でパカッって地面が開いて球が消えてなくなるんですよ。
打てねえ!打てねえって!!
・・・すまん、相変わらず例えが下手だった。

それに比べて本書『慟哭』は直球。
ど真ん中にストレートで投げられた剛速球です。
なので、この展開はこのオチしかないんじゃねえの?って途中で気が付いたら、あら嫌だそのままでしたわって感じでしたね。
物語自体は非常に重いですが、色々と考えさせられる人間の弱さ、脆さを描いて実に興味深い・・・ごめん、嘘ですつまらんかった!
結構絶賛されてる本だったんですけど、個人的にはいま二つでしたw
テーマが重すぎるのが個人的にはもひとつなんですかね~どうやら俺はもうちょいコミカルなテイストの作品の方が好みのようだ。

貫井徳郎氏の本はもう一冊『愚行録』ってのも買ってしまったんだが、これは読むのは大分後回しになりそうですな。
いやなんか、春は毎年、俺の読書シーズンなんですけども、どうも今年は何年かに一度ある非常に活字を読みたくなる年のようだ。
とりあえず色々読んでみよう!と先週、今週と休みの日にはネットで面白そうな本を検索してそれをメモし古本屋巡りをしていました。
そしてふと気づくと、手元に12冊の本が溜まってた!
あらやだ、こんなに読めるのかしら・・・と戦々恐々としておりますが、よく考えたらすでに年が明けて8冊くらい読んでますね。
俺にしてはいい読書ペースなんで、この調子を維持できたら軽く読破できそうです。

今年の目標は、読んだ本の感想文は全てUPすること。
今のところ全部UPして・・・なかった!
東野圭吾の「カッコウの卵は誰のもの」って本は3週間くらい前に読んだんだが、なぜかこれだけ書いてなかった。
まぁ気が向いたら書きますが、向かないですかねメンドクセ。
多分、明日も読書感想文になるやもしれません。
ならんかったらならんかったで知らない。
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by kannei0521 | 2010-02-28 23:31 | 読書日記